伝説の駅弁「いかめし」を森駅で買う
※この記事は 2020年1月12日現在のものです
日本一有名な駅弁といっても過言ではないと思います,森駅の「いかめし」です.
おそらくこの記事を読んでくださっている方で知らない方はほとんどいないでしょう.
毎年1月に京王百貨店新宿店にて開催される「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」にて,約半世紀にもわたって売上個数1位という,まさに駅弁界のレジェンドです.
説明するまでもないほど有名な「いかめし」ですが,実際にJR北海道の森駅で買ったことがある人は少ないと思います.
本場の「いかめし」を買うためだけに森駅に行ってきた,というお話です.
1月のとある日曜日,JR北海道の函館本線森駅にやって来ました.
左側に見える海は内浦湾(噴火湾),右奥に見えるのは駒ケ岳です.
風光明媚な駅です.天気が少し悪かったのが悔やまれるところです……
私の乗ってきた列車は大沼始発の森行きの普通列車です.乗客はなんと私一人……
函館本線のこの区間は,駒ヶ岳をバックに山を下る雄大な車窓が広がります.
森駅は函館本線の主要駅であり,特急「スーパー北斗」の全列車が停車します.
特急「スーパー北斗」は2020年3月のダイヤ改正で特急「北斗」に列車名が変更になることが発表されています.この表記が見られるのもあとわずかです.
元々は森駅構内のキヨスクで「いかめし」を販売していたそうですが,現在ではキヨスクは閉店.「いかめし」を買うには駅前の柴田商店に行かなければなりません.
「いかめし」を製造しているのは「いかめし阿部商店」という会社ですが,森駅周辺で「いかめし」の販売を行っているのは柴田商店のみです.
ネットにも新しい情報がなく,森駅まで来たものの買えるかどうか不安でした.
左の黄色い屋根の建物が森駅,正面のコカ・コーラの看板のある建物が柴田商店です.
森駅に着いたのは午前8時過ぎ,ネットの情報によると柴田商店は9時開店とのことなので待ちます.
9時になりましたがお店は真っ暗なまま……
閉店してるのかな?と不安に思いましたが,自動販売機に「いかめし店内にて販売しています」という案内を見つけたので,恐る恐るお店に入ってみます.
店内に入り声をかけると,奥からお店の方がやって来ました.
いかめしは1個780円.いかめしの他にもグッズが販売されています.
出来立てなのでしょうか,箱の外からも温かさが伝わってきます.
(写真はお店の方に許可をとって撮影しました)
無事,森駅で「いかめし」を購入できたので,特急「スーパー北斗」の車内でいただきます.
中身はみなざま御存じの通り.今まで何度か食べたことはありましたが,やはり現地で出来立てのものを食べる満足感は格別です.
あっという間に完食.ごちそうさまでした.
45分ほどで終点函館に到着です.
駅弁界のレジェンドである「いかめし」.なかなか訪れるのが難しい地ではありますが,皆様もぜひ本場の森駅で召し上がってみてはいかがでしょうか.
最後までお読みいただきありがとうございました.
315系導入決定! どうなるのか?JR東海の在来線事情 続編
前回,このような記事を書きました.
お読みいただいた方には感謝申し上げます.ここで,211系置き換えの分はロングシート車,213系,311系置き換え分はクロスシート車で置き換えるのではないか,という予想を立てました.
ところが先日,JR東海からこのような発表がありました.
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040199.pdf
車両性能面については予想していた通りでした.
ただし,気になる点がいくつかあったので取り上げてみたいと思います.
1.車内はロングシート!5年間で計352両を新製
中央本線や東海道線静岡地区で活躍している211系5000番台の置き換え,ということから座席がロングシートであることは想定はしていました.
また,現在JR東海に所属している211系,213系,311系は計338両であり,352両を新製というのは,妥当な数だと感じます.
名古屋・静岡地区を中心に中央本線,東海道本線,関西本線に順次投入するということです.
数から考えると中央本線および東海道本線静岡地区で運用している211系は315系によって直接置き換え,というのが予想されます.
気になるのは311系および213系の置き換えです.
名鉄との競合区間であり,乗車時間の比較的長い東海道本線名古屋地区にオールロングシートの315系が導入されるのは,あまり現実的ではないと感じます.
そこで,中央本線で運用されており,クロスシート車である313系1000番台,1100番台が315系投入によって大垣車両区に転属し,311系の運用を置き換えるのではないかと予想します.
311系は15編成あり,14経路の運用を持っています.主な運用は浜松~豊橋,豊橋~岐阜,大垣~米原,武豊線直通列車です.
神領車両区の313系1000番台は4両×3編成,313系1100番台は4両×2編成です.これらが大垣車両区に転属し,311系の運用のうち豊橋以西のものを置き換えると予想します.
また,豊橋以東の311系の運用については,直接315系で置き換えると考えます.
最も気になる213系の置き換えです.
213系は14編成あり,飯田線で運用されています.
315系の詳細を見る感じだと,飯田線に直接投入するとは考えにくいです.
ここで,315系の投入で余剰となった中央本線の313系1300番台が大垣車両区に転属し,213系を置き換えると予想します.
313系1300番台は2両×32編成あり,そのうちワンマン非対応が8編成,ワンマン対応が24編成となっています.
こちらについても315系によって余剰になった車両が大垣車両区に転属し,213系を置き換えるものと考えます.
2.曲面ガラスは非採用.直線を使用した幾何学的な形状をもつ前面デザイン
313系の特徴の一つに,その前面形状があります.前面窓は側面に回り込むパノラミック・ウィンドウであり,国鉄113系電車を彷彿させます.
313系はどちらかといえば曲線的な前面形状ですが,それとは対照的に315系は直線的な前面形状となっています.
最近登場したHC85系も,313系の流れをくむ曲線的な前面形状だったので,315系のエクステリアイメージを最初に見たときは驚きました.
今後はこのような車両がJR東海の主流となるのでしょうか.
また,オレンジの帯が従来車が窓下にあるのとは異なり,窓の高さへと変更になっています.個人的にはJR西日本の323系を連想させます(笑)
その他の点については,SiC素子によるVVVFインバータ,フルカラー液晶ディスプレイ,車内防犯カメラ,非常走行用蓄電装置,振動検知装置といった最新の技術が搭載されています.
315系の今後の活躍に期待したいと思います.
最後までお読みいただきありがとうございました.
315系導入決定! どうなるのか?JR東海の在来線事情
1.はじめに
令和も二年目に突入,オリンピックイヤーでもある2020年元日に,こんなニュースが飛び込んできました.
最初は大変驚きました.確かに211系はじめとしたJR初期に導入された車両は車歴30年を超え始めており,そろそろ置き換えの話が出てきてもおかしくはないと思います.
現時点では新型車両は岐阜や愛知といった地域を走る中央線に導入すると発表されています.新型車両登場により,JR東海の在来線の車両配置に大きな変化が出ると考えられるので,考察してみたいと思います.
2.現在のJR東海在来線の形式別編成数
以下が2020年1月現在の,JR東海の普通列車用の形式別車両編成数です.
□211系
・0番台(神領) 4両×2編成(1986~)
・5000番台(神領) 4両×20編成(1989~)
・5000番台(神領) 3両×17編成(1988~)
・5000番台(静岡) 3両×31編成(1988~)
・6000番台(静岡) 2両×9編成(1990~)
□213系
・5000番台(大垣) 2両×14編成(1989~)
□311系
・(大垣) 4両×15編成(1989~)
□313系
・0番台(大垣) 4両×15編成(1999~)
・300番台(大垣) 2両×16編成(1999~)
・1000番台(神領) 4両×3編成(1999~)
・1100番台(大垣) 4両×11編成(2010~)
・1100番台(神領) 4両×2編成(2006~)
・1300番台(神領) 2両×32編成(2010~)
・1500番台(神領) 3両×3編成(1999~)
・1600番台(神領) 3両×4編成(2010~)
・1700番台(神領) 3両×3編成(2006~)
・2300番台(静岡) 2両×7編成(2006~)
・2350番台(静岡) 2両×2編成(2006~)
・2500番台(静岡) 3両×17編成(2006~)
・2600番台(静岡) 3両×10編成(2006~)
・3000番台(大垣) 2両×16編成(1999~)
・3000番台(静岡) 2両×12編成(1999~)
・3100番台(静岡) 2両×2編成(2006~)
・5000番台(大垣) 6両×17編成(2006~)
・5300番台(大垣) 2両×5編成(2010~)
・8000番台(神領) 3両×6編成(1999~)
313系の形式区分がこんなにあるなんて思いませんでした(笑)
211系,213系,311系は315系による置き換え対象になっており,置き換えが完了すればJR東海の在来線の普通列車用の車両は313系と315系の2種類となります.
車両の置き換えについて予想してみたいと思います.
3.車両の置き換えを予想
3.1中央本線への導入
ニュース記事にもなっている通り,315系を中央本線に導入することは既定路線です.神領車両区の211系を,315系で直接置き換えるものと思われます.
そこで問題になるのは,315系の車内設備についてです.
現在中央本線で運用されているのは211系と313系の2形式であり,車内は211系がロングシート,313系が転換クロスシート(車端部はロングシート)となっています.315系の車内設備については発表されていませんが,中央線名古屋口のラッシュと211系の置き換えであることから,ロングシートになるのではないかと私は予想します.
また,211系同様4両編成と3両編成の2種類が導入されると予想します.
3.2東海道本線への導入
東海道本線名古屋地区では311系,静岡地区では211系が置き換え対象になっています.置き換えの仕方としては,それぞれの地区に315系を導入するのと,名古屋地区に315系を集中的に投入し,余剰となった車両で静岡地区の211系を置き換える2つの方法が考えられます.個人的には前者の方法で置き換えるのではないかと予想します.
名古屋地区は4両編成のクロスシート,静岡地区は3両または2両編成のロングシートの車両が導入されると予想します.
3.3その他の線区への導入
飯田線の213系も置き換え対象になっています.こちらは2両編成のクロスシートの車両が導入されると予想します.飯田線向けにワンマン設備や発電ブレーキ,セラミック噴射装置等が搭載された車両になると思われます.
4.今後の展望
315系は次世代のJR東海在来線を象徴する車両になると思われます.313系のように線区ごとの特徴を踏まえた様々な番台区分の車両がつくられ,今後のJR東海の顔となる車両になると思います.315系の今後の活躍に期待したいです.
最後までお読みいただきありがとうございました.
新幹線駅なのに1日平均乗車人数33人!「奥津軽いまべつ駅」に行ってきた話
2016年の北海道新幹線開業とともに開業した奥津軽いまべつ駅.人口約2400人の今別町にあり,駅の1日平均乗車人数は33人(2017年の統計)です.もちろん,日本全国の新幹線駅の中で最も低い数字です.
新幹線駅ながら秘境駅でもある奥津軽いまべつ駅に行ってきた,というお話です.
木古内から北海道新幹線はやぶさ号に乗ること30分,列車は青函トンネルを抜け,津軽線と並走します.まもなく奥津軽いまべつ駅に到着します.
木古内から奥津軽いまべつ間の特急料金は1520円(特定特急券)です.北海道新幹線開業前の海峡線蟹田~木古内間は特急列車しか運行されていなかったため,特例として普通乗車券や青春18きっぷ等のみで特急列車の普通車自由席に乗ることができましたが,今はこのような制度はありません.
また,はやぶさ号は全席指定席であるので,特定特急券では座席の指定はされず,普通車の空いている席に座るしかありません.とはいっても,この区間で指定席が満席となることはないと思いますが…
新幹線のホームは2面3線となっております.下り線(新函館北斗方面)のみ通過線があります.北海道新幹線のこの区間は貨物列車の走る海峡線と共用となっております.この写真からは見えませんが,ホームの外側にそれぞれ2本ずつ狭軌の線路が敷かれています.主に貨物列車が新幹線を待避するのに使われます.
はやぶさ30号でこの駅に降り立ちました.この列車が行ってしまうと次の上り新幹線まで4時間です.
北海道新幹線自体の本数もかなり少ないですが,半分近くの列車が通過してしまうため,奥津軽いまべつ駅に停車する列車は,1日当たり上下線各7本ずつとなっております.
改札口です.橋上駅舎となっており,改札口は新幹線の線路の真上にあります.
この駅の所在地は青森県ですが,北海道新幹線はJR北海道の路線であるのでこの駅もJR北海道の所属となっております.
北海道新幹線が開業する前は,海峡線の津軽今別という駅がこの場所にありました.津軽今別駅もJR北海道の所属となっておりました.
駅舎と改札口を結ぶ通路からの,新函館北斗方面の風景です.新幹線の駅とは思えないですね.
右側の建物の中にホームがあります.真ん中の2本の線路は貨物列車が走る海峡線の下り線路です.左側の単線はJR東日本津軽線の線路であり,ホームは津軽二股駅です.
新青森方面の風景です.中央右の分岐のある線路は,新幹線の保守基地へと向かう線路です.
JR北海道の駅であるので,入場券にもJR北海道の料金(200円)が適用されます.1日に1回,ほぼ同時刻にこの駅を通過する2つの列車があるとは驚きです.
駅舎は津軽線の線路を越えたホームの西側にあります.この辺りでは東に向かって標高が高くなっており,さらに改札口が新幹線のホームの上にあるため,駅舎は結構な高さになっております.
階段を降り始めたものの,一向に終わらないので不安になりました(笑)
ちゃんとエレベーターもついております.
駅前の風景です.とある地方の駅前の風景としてはありふれたような景色ですが,これが新幹線の駅だというのは驚きです.
北陸新幹線の安中榛名駅が「山ん中榛名」なんてネタにされていますが,安中榛名駅の方が駅近くに分譲住宅地もあり,奥津軽いまべつ駅ほど閑散とはしてません.
ただし,青春18きっぷのシーズンになると,津軽線と北海道新幹線の乗り継ぎ客で賑わうそうです.
奥津軽いまべつ駅に隣接して,道の駅いまべつと津軽線の津軽二股駅があります.津軽二股駅とは乗換駅として案内はされていますが,乗り継ぎダイヤに関しては考慮されていません.また,運賃計算も別の駅としての扱いになり,乗り継ぎの場合には別々に乗車券を買わなければいけません
.
津軽二股駅は駅舎もなく,ホームがぽつんとあるだけの駅です.
津軽二股駅は1958年の開業です.その約60年後に,ここに新幹線の駅ができるなんて当時の人々は思ってもいなかったでしょう.
次の新幹線まではまだだいぶあるので,津軽線の蟹田行きの列車に乗ってこの地を離れます.
新幹線の秘境駅などともいわれる奥津軽いまべつ駅,皆様もぜひ訪れてみてはいかがでしょうか.
最後までお読みいただきありがとうございました.
廃止まであとわずか 「スーパービュー踊り子」乗車記
1990年に運転を開始した特急「スーパービュー踊り子」およびJR東日本251系.
伊豆への旅をより楽しめるようにと作られたこの列車は,長年にわたって伊豆観光の第一線で活躍してきました.しかし,2020年3月14日のダイヤ改正で,使用車両の老朽化などから特急「スーパービュー踊り子」の運転取り止めが発表されています.
後継列車の特急「サフィール踊り子」に引き継ぐ形で特急「スーパービュー踊り子」という列車名は消滅します.また10両固定編成,ダブルデッカー車にハイデッカー車,サロン,こども室といった特徴を持つ251系は,転用されずこのまま廃車になるのではないかと噂されております.
(この記事の続きです)
12月末の平日,ここはJR東日本新宿駅の5番線ホームです.小田原から「おはようライナー新宿26号」としてやってきた列車は,車内整備を済まし,折り返し特急「スーパービュー踊り子3号」として使用されます.
他のホームから少々離れた位置にあるこの5,6番線ホームは,主に「成田エクスプレス」をはじめとした特急列車の発着ホームとして使用されています.
伊豆方面の先頭車両が1号車となっています.1,2号車はグリーン車であり,どちらも2階建て車両であります.1号車は2階がグリーン車で1階がサロン,2号車は2階がグリーン車で1階がグリーン個室となっています.
写真を見てもわかる通り,外観がボロボロになっていますね…
潮風をあびる厳しい環境のもと走り続けてきたのだと感じます.
1号車1階のサロンです.1,2号車はグリーン車の乗客しか立ち入ることができないため,このサロンもグリーン券を持った乗客のみが利用することができます.
他の列車に見られない,この列車特有の設備であります.
3~9号車は普通車でありハイデッカー車となっています.天井につながる大きな窓が特徴です.
「スーパービュー踊り子」として運用される際には,乗車口は2,3,5,7,10号車のみとなっています.各乗車口にはビューアテンダントの方が立っており,特急券のチェックが行われます.
5,6番線ホームから発車する特急列車の編成案内です.今年3月で「スーパービュー踊り子」は廃止になります.「サフィール踊り子」は基本的に東京発着ですが,特定の土休日に運転される臨時列車が新宿始発となるそうです.
新宿から伊豆方面の列車ももっとあってもよさそうな気もしますが,線路容量の都合でしょうか…
本当は始発駅の新宿から乗って,終点の伊豆急下田まで乗り通したいところですが,貧乏大学生の懐事情もあって,この列車の6分前に発車する湘南新宿ラインに乗って横浜まで先回りします.
新宿始発の「スーパービュー踊り子」は,横浜駅では東海道線のホームである6番線からの発車です.てっきり湘南新宿ラインと同じく横須賀線ホームから発車すると思い込み,危うく乗り遅れるところでした.(6番線に辿り着いたことには発車メロディが鳴っておりました(汗))
横浜駅の東神奈川側に,横須賀線から東海道線の線路に転線する渡り線があるので,そこから東海道線に移ったのでしょう.何がともあれ間に合ったのでよかったです.
横浜から「スーパービュー踊り子3号」に乗車します.乗り込んだ3号車は海側のAB列はほとんど埋まっており,山側のCD列に空席があるといった感じでした.他の号車も同じような乗り具合でした.
251系は2002年のリニューアルで,外観および車内設備がかなり変わりました.普通車は奇数号車がオーシャンブルー,偶数号車がハイビスカスピンクの座席となりました.
リニューアル前,一次車の普通車の座席はリクライニング機能なし,二次車の座席は座面スライド機構のみだったそうです.
転換クロスシートだった185系といい,リクライニングしない251系といい,昔の伊豆特急は散々でしたね…乗車時間が短い,というのもあるかもしれませんが.
3~9号車はハイデッカー車であるので,このようにデッキに段差が設けられています.ただし,9号車には多目的室がある都合で,デッキではなく客室に段差が設けられています.
なんと,5号車の東京寄りには売店があります.JRの定期特急列車で車内に売店があるのは,「スーパービュー踊り子」くらいでしょうか.もちろん車内販売も行われています.
車内販売のワゴンが来るのを待つのもいいですが,売店があるというのも便利ですね.
横浜駅で乗り継ぎ時間があまりなかったので売店でパンとコーヒーを購入しました.駅の売店よりも気持ち高めの値段設定,といった感じです.
列車は横浜を出ると,次は熱海に停まります.1時間弱ノンストップでの運転です.
茅ヶ崎駅には215系が止まっていました.朝のライナー運用後に回送されてきたのでしょうか.
相模川を渡り平塚市に入ります.この日は天気も良く,富士山を眺めることができました.
平塚を過ぎたあたりから東海道貨物線を走る貨物列車と並走します.「スーパービュー踊り子3号」の乗る前に,小田原始発の「おはようライナー新宿26号」に乗ってきたのですが,その際はこの貨物列車の奥の線路である,東海道貨物線の上り線を走行しました.
二宮駅を通過します.この駅はもともと貨物の取り扱いがありました.そのため,東海道線と貨物線の間に若干のスペースがあります.
先行列車の影響でしょうか,国府津駅手前でかなり減速しました.その際に並走していた貨物列車に置いていかれました.
国府津駅を通過すると列車は再びスピードを上げました.小田原駅を通過します.定期列車で小田原を通過するのは「スーパービュー踊り子」と「サンライズ瀬戸・出雲」のみです.
横浜~伊東はB特急料金の区間ですが特例として「スーパービュー踊り子」にはより高額なA特急料金が適用されます.
ちなみに「サフィール踊り子」にもA特急料金が適用されることが発表されています.
熱海駅で海側の座席に座っていた方々も降りていきました.熱海からは伊東線に入ります.線形があまり良くないのと,単線というのもあり列車はゆっくり走ります.途中の宇佐美駅では「スーパービュー踊り子」同士のすれ違いがありました.
横浜から1時間17分,伊東駅にて下車します.列車はここから伊豆急行線に入り,終点伊豆急下田まで南下していきます.
一応JRの駅ですが,やってくる普通列車は伊豆急行の車両ばかりです.
この駅でもかなりの方々が下車していきました.伊東駅は伊東温泉最寄り駅であります.駅では駅弁も販売されています.
乗務員交代も済まし,列車は伊豆急下田へと向けて発車していきました.次の停車駅は伊豆高原です.
ラストランまであと2か月となった「スーパービュー踊り子」.皆様も機会があればぜひ乗ってみてはいかがでしょうか.
最後までお読みいただきありがとうございました.
ムーンライトながら 廃止か存続か?
1.はじめに
おそらくこの記事を読んでいる方の中に,「ムーンライトながら」を知らない方はいないでしょう.それほど有名な列車であります.
元々は名前のないただの普通列車であり,その昔は通称「大垣夜行」などと呼ばれておりました.1996年にこの大垣夜行を代替する形で登場した列車が,この記事の主役「ムーンライトながら」であります.
定期列車として東京~大垣を一日一往復運行し,春休みや夏休み,年末年始といった青春18きっぷの利用期間にはさらにもう一往復,臨時列車が設定されるほどの人気ぶりでした.しかし,低料金で乗ることのできる高速バスの台頭やその他諸々の影響により,利用客が減少し,2009年に定期運航が終了しました.それ以降は,18きっぷの利用期間に臨時列車として運転されるのみとなりました.
ところが近年では,かつてに比べ臨時列車の運転期間が年々減少しております.さらに,現在使用されているJR東日本大宮総合車両センターの185系が老朽化により置き換えられることが発表されています.風前の灯火となりつつある「ムーンライトながら」,今後の動向について考えてみたいと思います.
2.廃止か?存続か?
定期運行時代はJR東海静岡車両区の373系が使用されていましたが,臨時列車化した際にJR東日本田町車両センターの183・189系に変更になりました.183・189系の置き換えの際にも「ムーンライトながら」廃止の噂が飛び交いましたが,2013年から使用車両を185系へとバトンタッチし,列車の運転は存続しています.
ところが,JR東日本から踊り子号等に使用している185系の置き換えが発表され,「ムーンライトながら」に使用されている波動輸送用の編成も先は長くないことが予想されます.さらに,先述したように臨時列車「ムーンライトながら」の運転日数は年々減少傾向にあります.車両を変更してまで運転を続けるのか,それとも廃止されてしまうのか,どうなるのでしょうか.
3.廃止説
こんなことを言うと,一部の鉄道ファンから反感を買ってしまうかもしれませんが,私は廃止が濃厚だと考えています.車両の都合やら会社の都合やらいろいろ複雑な事情が絡んでいますが,簡単に言うと儲からないからです.現在では青春18きっぷの利用期間のみに運転されている「ムーンライトながら」,乗客のほとんどが18きっぷの利用者であることは皆様もご承知のことと思われます.実際に調査をした訳ではないので,本当のところどうなのかは分かりませんが,車掌さんが検札している様子をうかがうと,ほとんどの乗客が18きっぷ利用者なのではないかというのが私個人の考えです.
つまらない文章をダラダラ書いていてもつまらないと思うので,数字で考えてみたいと思います.
現在の使用車両である185系10両編成の定員は(14×4)席×4両+(16×4)席×3両+(17×4)×3両の計620席です.
東京発の下り列車について考えます.
仮に,指定券が完売し全員が東京から大垣まで乗車すると,指定席料金による収入は530円×620人=328,600円です.
営業キロの比で分配すると,JR東日本が83,833円,JR東海が244,767円です.
また,全員が日付変更駅の小田原まで普通乗車券を利用し,小田原から青春18きっぷ一回分を利用すると仮定すると,乗車券収入はJR東日本が(401.7+1520)円×620人=1,191,454円,JR東海が401.7円×620人=249,054円となります.
(*青春18きっぷのJR各社の配分には諸説ありますが,ここではこちらの記事(https://seisyun.tabiris.com/uriage.html)を参考にして6社で均等に分配していると仮定して計算しています.)
このモデル化によると下り列車一回の運行当たりの収入はJR東日本が1,275,287円,JR東海が493,821円となります.
上り列車についても,全員が全区間乗車し,大垣から日付変更駅の豊橋まで普通乗車券を利用し,豊橋から青春18きっぷ一回分を利用すると仮定すると,上り列車一回の運行当たりの収入はJR東日本が332,887円,JR東海が1,721,421円となります.
ガバガバなモデル化ですが,この計算によると「ムーンライトながら」を一往復運転することに,JR東日本の収入は約160万円,JR東海の収入は約220万円となります.
では,「ムーンライトながら」一往復運転するのにかかる費用はいったいどれほどでしょうか.私は一般人なので正確な値を知ることは出来ませんので,ここから先はあくまで推測の話です.「ムーンライトながら」の通常料金は全区間通しで乗った場合7,460円であり,満席の場合4,625,200円となります.収入における費用の割合(他の業種でいう原価率)が仮に5割だとすると,「ムーンライトながら」を一往復運転する費用は約463万円であり,これは先ほどのJR東日本とJR東海の収入の合計を上回ります.要するに赤字です.
実際は普通乗車券を利用して乗る方も少なからずいるでしょうし,全員が全区間乗車するとは限りません.また,「ムーンライトながら」に乗車した後に18きっぷを利用して他の路線にも乗る方がほとんどだと思います.したがってこのモデル化が妥当かどうかは何とも言えませんが,どちらにせよ「ムーンライトながら」が走らせれば走らせるほどお金の入る列車ではなく,走るたびに赤字が発生する列車であるということがおわかりいただけたと思います.
このように儲からない列車の存続のために新しい車両を導入し,そのために乗務員訓練をするということは割の悪い話ですので,使用車両の185系の引退とともに「ムーンライトながら」は廃止になるのではないか,というのが私個人の考えです.
4.存続説.後継車両は?
実は,かつての使用車両である183・189系の引退の際にも,「ムーンライトながら」廃止の噂が飛び交っておりました.しかし,使用車両を185系にバトンタッチし,現在でも運転を続けています.今回の185系引退の際にも他の車両に引き継いで,「ムーンライトながら」の運転を続ける可能性もあります.仮にそうなった際の後継車両について考えてみたいと思います.
①E257系
使用車両が185系に変更となった要因の一つに,185系がJR東海管内で定期運転していたから,ということが挙げられます.185系は熱海~三島という短い区間ではありますが定期的に運行されており,乗務員もJR東海が担当しております.踊り子号はE257系に置き換わりますが,修善寺乗り入れは今後も続くと発表されていますので,E257系がJR東海管内を走ることは確実です.ただし,修善寺踊り子用に改造された2500番台は4編成しかなく,「ムーンライトながら」に使用すると本業に支障をきたすので,余剰となっている0番台および500番台が使用される可能性が高いと思われます.ただし,これらの車両はJR東海のATS-PTに対応していないため,改造工事が必要となります.
②373系
定期運行時代の車両であります.全14編成あり,現在では特急「ふじかわ」「伊那路」と普通列車およびホームライナーの運用のみであるので,9両×2本分の6編成の捻出も出来るかもしれません.ただし,静岡車両区の所属であり,送り込みをどうするかといった問題も出てきます.JR東海からしても,「ムーンライトながら」に使用するよりも,他の臨時列車に使用したいと思うはずです.あまり現実的ではないような気もします.
③E231系,E233系
可能性はほとんどないと思います(笑)私が個人的に見てみたいというだけです.実際に沼津までの定期運用もありますし,団体列車として浜松まで入線したこともあります.ただし,普通車はロングシートとセミクロスの組み合わせであるので,大昔の大垣夜行みたく普通車は全席自由席となるでしょう.
5.まとめ
これまで幾度となく廃止説が飛び交っておりましたが,現在もしぶとく運転を続けている「ムーンライトながら」.現在の使用車両の185系もおそらく先は長くないでしょうし,「ムーンライトえちご」,「ムーンライト信州」と同様に,使用車両の引退とともに廃止されてしまうかもしれません.大学生になるまでずっと愛知に住んでいた私にとっては,小学生の頃からお世話になってきた思い入れのある列車であるので,今後の行く末をしっかりと見守りたいと思います.
最後までお読みいただきありがとうございました.
「話題のインスタ映えスポット」日本三大峡谷の一つ,清津峡に行ってきた話
最近人気の新潟県にある清津峡は,富山県の黒部峡谷,三重県の大杉峡谷と並び日本三大峡谷とされています.そんな清津峡に行ってきた,というお話です.
清津峡は大変辺鄙な場所にあり,公共交通機関でアクセスするには南越後観光バス「急行 湯沢~津南~森宮野原線」を利用する以外ありません.ちなみにこの路線は一日4往復であるので利用する際には注意が必要です.
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この路線バスは越後田沢駅は経由しません.駅から歩いて5分ほどの場所にある山崎というバス停からバスに乗ります.
バスは国道353号線を走ります.最初の方はのどかな田舎の風景が広がっておりましたが,途中から車線も減り,険しい山道となります.山崎からバスに乗ること15分ほど,清津峡入口で下車します.平日だということもあり車内はガラガラ,乗客は自分だけでした.
清津峡入口のバス停から観光客向けの清津峡渓谷トンネルまでは歩いて30分ほどかかります.
国道から外れ,田舎道を歩きます.車でアクセスする場合は,清津峡渓谷トンネルのすぐそばまで車で行くことができます.人気のない道を進みます.
バスを降りて歩くこと30分,温泉街へと到着しました.このあたりに駐車場があるため,車でアクセスする場合はここまで車で行くことができます.
清津峡へは車でのアクセスが一般的です.車の場合,関越自動車道の塩沢・石打ICから25分で行くことができます.
温泉街を抜け,奥へと進んでいきます.もともとは清津川沿いに遊歩道があり,そこから清津峡の素晴らしい景色を眺めることができました.しかし,1988年にこの遊歩道で落石による事故が発生してしまいました.この事故により遊歩道は封鎖されてしまい,清津峡の景色を眺めることが不可能となりました.
ところが,1996年に観光用に清津峡渓谷トンネルが完成し,安全に渓谷の景色を眺めることができるようになりました.
トンネルの利用料は大人600円です.トンネルに入ってすぐの場所に受付があり,そこで利用料を払います.受付時間は8時30分から16時30分までです.
今年の1月15日から2月の13日までは冬季メンテナンス休業期間のため,トンネルに入ることは出来ません.これから行く予定の方は要注意です.
トンネルの全長は750メートルであり,このように「し」の字型になっています.流れている川は清津川で,画像下から上に向かって流れています.川と垂直な向きに掘られているトンネルは見晴所であり,上から順に第一見晴所,第二見晴所,第三見晴所となっております.一番下の折れ曲がった先っぽの部分はパノラマステーションです.
トンネル内はひんやりとしています.やや薄暗いかな,といったように感じます.
第一~三見晴所からはこのような方向から清津峡を眺めることができます.川は画面奥から手前に向かって流れています.こちらは第三見晴所からの眺めです.
清津峡の特徴は,柱状節理です.柱状節理とはマグマが冷えて固まる際に,収縮することによって四~六角形の柱状の岩になったものです.清津峡の岩崖は柱状の岩の寄せ集めでできています.
また,清津峡の岩は火山灰によって生成された凝灰岩であります.
先ほどと同じ場所から下流方向を眺めます.清津川は一級河川であり,信濃川に合流し日本海へと注ぎます.
かなり険しい地形であることがわかります.かつてはここに遊歩道が通っていたものですから驚きです.
第三見晴所はこの写真のように球状の鏡が壁に設置されています.照明も当てられていて,凝ったデザインになっています.
こちらがトンネルの先端のパノラマステーションからの眺めです.最近は清津峡の人気も高まっているらしく,Instagramの広告でたびたびこの写真を見るような気がします.
床には水が張ってあり,見事に景色が床に映し出されています.インスタ映えスポットとして有名らしく,Instagramで「清津峡」と検索しようものなら,この写真が大量にヒットするはずです.
水の張ってあるエリアにも入ることができます.ただし床全面に水が張っているため,靴と靴下を脱いで入るしかありません.訪れたのは9月中旬であり,水の冷たさが心地よく感じましたが,それ以外の季節は拷問になりますのであくまで自己判断でお願いいたします.
ちなみにこの水は清津川から引いているそうです.
無事水のエリアを抜けると,このような景色を望むことができます.清津峡渓谷トンネルは先端付近で180度方向が変わっているため,先程までの見晴所とは向きが変わっています.画面奥が下流の方向となります.
ずっと眺めていられそうな素晴らしい景色です.
夏季は週末を中心にかなり賑わっているそうです.この日は平日だということもあり,このように人のいない写真も撮ることができました.また違う時期にも訪れてみたいと思います.
来た道を戻ります.比較的空いていたこともあり,景色を堪能しつつ45分ほどで往復することができました.
トンネルを出て30分ほど歩き,バス停へと戻ります.正面に見えるシェルターのかかった道路が,バスの走る国道353号線です.
12時13分発の湯沢行のバスに乗り込みます.乗客は私だけでした.
バスはトンネルで峠を越え,クネクネ曲がった道で山を下ります.この日の運転手さんのハンドルさばきは大変見事でした.
バスに乗ってから30分弱で越後湯沢に到着です.先ほどまでは天気が良かったのですが,雨が降っておりました.清津峡にいる間は天気がもってくれたのでよしとします.
交通の便が悪く,かなり秘境な場所にありますが,そんなの気にならないくらいの素晴らしい景色が清津峡にはあります.また,四季それぞれ違った顔があり,何度も訪れたいと思わせてくれます.
みなさまもぜひ訪れてみてはいかがでしょうか.
以上です.最後までお読みいただきありがとうございました.