月に群雲

都内在住大学生による旅日記 主に鉄道について

バニラエアひがし北海道フリーパスの旅 (2)小樽〜網走

今は亡き航空会社,バニラエア.

そんなバニラエアとJR北海道とのタイアップで発売されていた「バニラエアひがし北海道フリーパス」で旅をしてきた,というお話です.

 

前回の続きです.

 

 

8月21日(水)

 

 今は日本有数の観光都市として有名な小樽.

その昔は湾港都市として栄え,一時期は北海道の経済の中心でもありました.

時刻は朝5時過ぎ,街はまだ寝静まってます.

 

宿泊(仮眠?)先の銭湯から歩いて南小樽駅へやってきました.5時42分発の札幌方面の始発電車を待ちます.

 

f:id:mahoroba239:20191216102518j:image

 

やって来たのは721系.普通列車なのにデッキ付き転換クロスシートという,本州住みの自分にとってびっくりな設備です.

 

列車は銭函付近を通過中.石狩湾を望みます.


f:id:mahoroba239:20191216102712j:image

 

40分ほどで札幌駅に到着.

 

 

 6:53~6:57の怒涛の三連続発車.札幌が北海道の中心であることを意識させられます. 

今回の旅の目的の一つ,6:56発の網走行き特急オホーツク1号に乗ります.


f:id:mahoroba239:20191216102628j:image

 

特急型気動車の中で大ベテランの部類に入るキハ183系です.

その昔は北海道のディーゼル特急の雄でしたが,近年では活躍の場を狭め,ついに定期列車は特急オホーツクおよび特急大雪のみとなりました.


f:id:mahoroba239:20191216102618j:image

オホーツクのキハ183による運行も,あとどれほど続くことでしょうか.


f:id:mahoroba239:20191216102550j:image

 

見ての通り,外装はボロボロです.

北海道の厳しい環境が想像されます.


f:id:mahoroba239:20191216102502j:image
f:id:mahoroba239:20191216102635j:image

4号車の自由席に乗ります.

札幌発車時点で,この車は通路側を含め,ほとんどの席が埋まっています.

オホーツク,意外と人気あるんじゃないか…なんと思いましたが,岩見沢で車内の3分の1ほどの乗客が下車.どおりで制服姿の高校生が乗っているわけでした.


f:id:mahoroba239:20191216102600j:image

 

列車は間もなく美唄というところ.
f:id:mahoroba239:20191216102557j:image

 

旭川を出ると車内も閑散としてきました.平日の函館本線の特急需要の高さを身に感じました.

列車は単線の石北本線をひた走ります.


f:id:mahoroba239:20191216102508j:image

 

札幌から3時間半で遠軽に到着です.

かつては石北本線名寄本線との分岐点でありましたが,30年前に名寄本線が廃止されて以来,日本でも珍しい平面スイッチバックが残るのみとなりました.
f:id:mahoroba239:20191216102650j:image

 

列車は遠軽を出ると進行方向が反対になります.4号車は先頭車両となりました.

キハ183系8550番台は特急北斗用に改造され,最高速度が130キロの車両でしたが,今ではその性能も無用の長物と化してます.

現在の特急オホーツクの最高速度は110キロとなっております.
f:id:mahoroba239:20191216102716j:image

 

網走に到着です.札幌から乗りとおした客はほとんどおりませんでした.
f:id:mahoroba239:20191216102606j:image

 

札幌から網走を直通する列車は,現在では一日2往復のオホーツクを残すのみとなっております.かつては夜行列車も走っておりました.
f:id:mahoroba239:20191216102529j:image

網走はかの有名な網走監獄のある街です.

この縦書きの看板は,出所した元受刑者がもう二度と帰ってこないように,という願いが込められているそうです.
f:id:mahoroba239:20191216102703j:image

 

せっかくなので網走監獄へと向かいます.

タイミングが悪く直行するバスがなかったので,女満別空港行のバスに乗り込み,途中のバス停から歩きます.
f:id:mahoroba239:20191216102622j:image

博物館網走監獄は網走市郊外の山の上にあります.網走監獄自体は網走の街の中にあります.監獄の建物を新しく作り変えるときに,古くなった建物を残そうということで,山の中に移築したそうです.f:id:mahoroba239:20191216102657j:image

 

監獄ランチです.なかなかに質素ですね(笑)
f:id:mahoroba239:20191216102505j:image

 

腹ごしらえを済まし,博物館へと入館します.

公式サイトからインターネット割引券が入手できます.これを利用し10%の割引を受けました.

f:id:mahoroba239:20191216102511j:image

立っているのはもちろん人形です.
f:id:mahoroba239:20191216102541j:image

 

入浴の風景.刺青の背中に恐怖を感じます.
f:id:mahoroba239:20191216102532j:image

 

枕が一本の木でできていて,看守はこれをたたいて受刑者を起こしていたそうです.
f:id:mahoroba239:20191216102452j:image

 

食事の風景.
f:id:mahoroba239:20191216102728j:image

 

現在の刑務所のモデルです.昔は極悪犯の象徴であったこの刑務所も,最近では軽犯罪者が中心だとのこと.
f:id:mahoroba239:20191216102725j:image

 

廊下の真ん中に通るパイプは暖房.極寒の地網走で生き抜く工夫です.
f:id:mahoroba239:20191216102700j:image

 

写真以外にも興味深い展示物が多く,2時間ほど見物に時間を要してしまいました.

博物館網走監獄を出て,天都山を目指して歩いて登ります.

 

クマ出没の看板.恐怖を感じます.
f:id:mahoroba239:20191216102638j:image

 

無事山を登りきり山頂へ到着です.

天気が良ければ眼下に網走の市街地,奥には知床半島を望むことのできる景勝地のはずでしたが,残念ながら何も見えませんでした...

ちなみに天都山山頂付近にはオホーツク流氷館という観光施設がありました.次来る機会があれば寄ってみたい次第です.
f:id:mahoroba239:20191216102706j:image

山頂付近からバスに乗り,網走駅へと帰ってきました.

釧路行きの普通列車に乗り込みます.

田舎でありがちなキハ40の単行だと思いきや...


f:id:mahoroba239:20191216102603j:image

 

キハ54との混結でした.このあたりでは珍しくないのでしょう.キハ54は自動変速ですが,キハ40と連結すべく手動変速にも対応しているとか.
f:id:mahoroba239:20191216102449j:image

 

連結部です.キハ40とステンレス車両との連結姿は斬新です.
f:id:mahoroba239:20191216102523j:image

 

キハ54の運転台
f:id:mahoroba239:20191216102721j:image

 

キハ54の車内.簡易クロスシートが並んでいます.確か0系新幹線の廃車発生品だったはず.
f:id:mahoroba239:20191216102709j:image

 

お隣の桂台から大量に下校する高校生が乗り込み,車内は大賑わい.

 

列車はオホーツク海沿いを走ります.
f:id:mahoroba239:20191216102516j:image

 

原生花園駅で下車.一年のうち半分しか営業していない臨時駅です.
f:id:mahoroba239:20191216102641j:image

 

もちろん無人駅です.
f:id:mahoroba239:20191216102610j:image

 

この辺りは小清水原生花園であります.

海の向こうには知床半島の山々を望むことができます.
f:id:mahoroba239:20191216102625j:image

 

時間もあまりないので,反対列車で網走方面へ折り返します.
f:id:mahoroba239:20191216102456j:image

 

一駅目の北浜で下車.
f:id:mahoroba239:20191216102614j:image

 

私が昔から行ってみたかった駅の一つでもあります.

残念ながら天気はどんより.
f:id:mahoroba239:20191216102718j:image

 

駅舎内には喫茶店がありますが,あいにくこの日は休業日.仕方ないので最寄りのセイコーマートで食料を買い込みます.
f:id:mahoroba239:20191216102734j:image

 

駅には展望台も設置されております.冬には流氷がやってくるとのこと.
f:id:mahoroba239:20191216102534j:image

 

駅舎内は名刺やきっぷで埋め尽くされております.

なんと駅舎内にはWi-Fiが設置されておりました.観光客への配慮でしょうか.
f:id:mahoroba239:20191216102645j:image

 

だんだん日が暮れてきました.何もすることなく時間が流れていきました.
f:id:mahoroba239:20191216102647j:image

 

19時10分発の列車がやってきました.私の乗る列車ではないので見送ります.

f:id:mahoroba239:20191216102554j:image

 

朝夕はそれなりの本数がありますが,日中は少なめです.駅の目の前に国道があり,釧網本線と平行してバスが走っているそうです.

私が2時間半列車を待っている間にも,北浜駅を訪れる観光客はちらほらいましたが,みなさん車での訪問でした.
f:id:mahoroba239:20191216102631j:image

 

待つこと2時間半,やっと網走行きの列車がやってきました.
f:id:mahoroba239:20191216102526j:image

終着網走へ到着.駅近くの踏切から,構内を眺めます.
f:id:mahoroba239:20191216102731j:image

遮断機のない踏切.都会ではあまり見慣れないものです.
f:id:mahoroba239:20191216102653j:image

 

この日は民宿ランプさんに宿泊.素泊まりで2500円でした.

宿の方も優しい方でした.また網走を訪れた際には是非宿泊したいと思います.

季節柄ライダーの方々もたくさんおられました.
f:id:mahoroba239:20191216102459j:image

 

つづく