東京から1時間半で行ける絶景駅「根府川」
東京駅から東海道線普通列車に乗り1時間半ほど,海沿いの崖の上に佇む絶景駅,根府川に到着します.
根府川駅の開業は1922年.国鉄熱海線が真鶴まで開通した際にできた駅であります.
相模湾を望む崖の上にある風光明媚な駅であり.関東の駅百選にも選ばれております.
都内から近く,首都圏在住の方なら気軽に訪れることができます.そのため,テツな方にもそうでない方にも知名度のある駅であると思われます.
東海道本線は,小田原を出ますと熱海まで海沿いの険しい地形を走ります.この駅周辺も海に向かって急な崖となっています.写真を見てわかるように,駅舎の高さとホームの跨線橋の高さが同じになっています.また,これだけ海に近いのにもかかわらず,ホームの海抜はなんと45メートル.このあたりの地形がいかに険しいかがわかります.
駅前の案内です.この辺りは箱根ジオパークの小田原エリアとなっております.このあたりは主に火山活動によってつくられた豊かな自然に恵まれた地域であります.
根府川駅は無人駅です.2017年にJR東海管内の一部の駅が無人化されるまでは,視線を除いて東海道本線唯一の無人駅でした.
列車は概ね片道1時間に3本といったところ.駅舎内には自動券売機があり,近距離乗車券およびグリーン券(Suicaグリーン券および磁気グリーン券)を購入することができます.また,乗車駅証明書の発行機があり,自動券売機の営業時間外でも,乗車駅証明書を用いることで,グリーン車に乗る際に事前料金が適用されます.
駅舎の中からは相模湾を望むことができます.改札口には簡易型Suica改札機が設置されております.
改札口を抜けるとこの景色.
毎年元旦には東京方面からの初日の出号が運転され,この駅から初日の出を眺めることができます.
ホームは2面3線となっております.山側から順に2番線,3番線,4番線となっております.1番線は欠番です.
急峻な地形が生んだこの絶景駅ですが,開業翌年の1923年に悲劇が起こります.関東大震災により発生した地滑りにより駅舎,ホーム,列車もろとも土石流に飲み込まれ,海の中へ沈んでしまいました.詳しくはグーグル先生にでもお尋ねください.
対岸に見えるのは小田原の市街地です.ちょうど下りの熱海行きの列車がやって来ました.ホームの有効長は15両であるので,列車のすべてのドアを開くことができます.
駅の下には国道135号線が通っております.相模湾を望みます.
この駅は東京駅から数えて18番目の駅となっております.
駅名標がこのように電柱に取り付けられているケースは珍しいと思います.
正面に見えるのは真鶴半島でしょうか.また,左側にはうっすらと伊豆大島が見えます.
この駅は伊豆クレイル号が停車(運転停車)します.そのため3番線には専用の停止位置目標が立てられています.
逆光で見えづらいですが,停止位置目標には「試」と書かれています.およらく試運転用のものでしょうか.首都圏の電車の主な試運転コースとして東京方面からやってきて根府川で折り返す,というコースはよく使われています.最近では相鉄12000系もこの駅までやって来たそうです.
ホームと駅舎を結ぶ跨線橋です.ずいぶん狭く感じられました.
2番線を踊り子号が通過して行きました.185系が見られるのもあとどれほどでしょうか…
首都圏からのアクセスが良く,絶景とのんびりとした空気が楽しめる駅,根府川.
行ったことのある方もそうでない方も,訪れてみてはいかかでしょうか.
最後までお読みいただき,ありがとうございました.
引退間近の251系グリーン車に1000円で乗車の巻 「おはようライナー新宿26号」
1990年に運転を開始したJR東日本251系.
2020年3月のダイヤ改正で,定期運用である特急スーパービュー踊り子の運転取り止めが発表されています.
10両固定編成,ダブルデッカー車にサロン,こども室といった特徴を持つこの形式は,転用されずこのまま廃車になるのではないかと噂されております.
そんな251系に,しかもグリーン車に,たった1000円で乗ってきた,というお話です.
小田原から東京・新宿方面へは湘南ライナー,おはようライナー新宿合わせて平日の朝に9本運転されています.ほとんどの列車は185系および215系が用いられますが,その中でも唯一251系で運転されているおはようライナー新宿に26号に乗車します.
発車の30分前ですが,既ににライナー券は売り切れておりました.ツイッターを見る感じだと,この日のおはようライナー新宿26号のライナー券は,前日夜の時点で既に売り切れていたそうです.
おはようライナー新宿26号は4番線からの発車です.発車20分前にホームへ向かいますと,回送と表示された185系が停車しておりました.まもなくこの185系は早川方面に引き上げられていきました.おそらく湘南ライナー12号に使われる編成だと思われます.
発車の15分前に鴨宮方面から251系がやってきました.
東京方面の先頭車両10号車はダブルデッカー車です.2階が普通車,1階がこども室となっております.ライナー運用の際はこども室に立ち入ることは出来ません.
3〜9号車はハイデッカー車になっております.窓のあるドアと窓のないドアがあり,スーパービュー踊り子運用の際は窓のあるドアのみが開きます.
幕回しに遭遇しました.特急ビュー日光号はかつて藤沢・大船〜日光を走った臨時特急です.
小田原でのグリーン車の乗車口は2号車のみです.並んだ時に先客がざっと数えて40人ほどおられました.グリーン車2両の定員は45人,座れるかヒヤヒヤしましたが,無事1号車通路側の座席に座ることができました.
1号車の1階はサロン,2号車の1階はグリーン個室ですが,ライナー運用の際はどちらも立ち入ることが出来ません.
小田原発車時点で立ち客も出ておりました.デッキや展望室に人が溢れておりました.特急の車両のグリーン車が満席で立ち客で溢れているなんて大典珍しい光景だと思います.
おはようライナー新宿号はライナー列車であるので乗車には乗車券等のほかに520円のライナー券が必要です.ただし,グリーン車については他の普通列車と同じく普通列車用のグリーン券で乗車できます.もちろんSuicaグリーン券でも大丈夫です.ただし,車両側がICカードのグリーン券に対応していないため,車掌が検札の際に用いる端末にタッチすることでグリーン券を確認します.
もちろん料金体系も普通列車のグリーン料金が適用されるため,小田原~新宿は1000円でグリーン車に乗ることができます.仮に同じ区間をスーパービュー踊り子に乗車するとすると(実際はこの区間を乗車することは出来ませんが),A特急料金とグリーン料金合わせて2250円となるため,いかにお得かわかると思います.まあ,観光客向けの特急列車と,通勤客向けのライナーを比べることはナンセンスですが…
ただし,あくまでもグリーン車自由席であるため,座席の着席保証はありません.
列車は小田原を定刻通り発車しました.
列車は東海道線とは別の線路である東海道貨物線を走ります.そのためこのように東海道の列車と並走するシーンが何度か見られました.
途中茅ヶ崎と藤沢に停車しますが,どちらも乗車専用駅であり,降車することは出来ません.そのため車内放送もなく,静かに停車します.
東戸塚駅を過ぎたあたりまでは東海道線および横須賀線と並走しますが,そこからは横浜駅を迂回するようなルートをとります.
貨物線単独の区間の多くはトンネルおよび防音シェルターに囲われており,外の風景を眺めることが出来ません.
貨物駅である横浜羽沢駅を通過します.
ここからは先日開業した埼京線・相鉄線直通の列車と同じ線路を走ります.
横浜羽沢駅を過ぎると再びトンネルに入ります.
新鶴見機関区の横を通ります.こちらも埼京線・相鉄線直通線の開業によりお馴染みになった風景です.
武蔵小杉を通過します.旅客列車で武蔵小杉を通過するのはライナーくらいでしょうか?
渋谷に到着.桜丘地区は絶賛再開発工事中です.
小田原からおよそ1時間20分で新宿に到着です.1000円グリーン車の旅も終わりです.他のホームから隔離された5番線に到着です.
乗ってきた列車は車内清掃を経て,折り返し9時25分発の特急スーパービュー踊り子3号伊豆急下田行きとなります .こちらについても乗車しました.その乗車記はこちらの記事をどうぞ.
来年3月14日のダイヤ改正で,おはようライナー新宿26号は,185系への置き換えが発表されています.それに伴い,3月13日金曜日が251系で運転される最後の日となります.平日朝というなかなか大変な時間ですが,皆様もぜひ乗ってみてはいかがでしょうか.
最後までお読みいただきありがとうございました.
P.S.
この記事を帰りの電車で書いていたら,偶然試運転中(?)のE261系とすれ違いました.251系の引退はすぐそばまで迫っているように感じられます.
バニラエアひがし北海道フリーパスの旅 (5)
今は亡き航空会社,バニラエア.
そんなバニラエアとJR北海道とのタイアップで発売されていた「バニラエアひがし北海道フリーパス」で旅をしてきた,というお話です.
前回の記事の続きです.今回が最終回です.
8月24日(土)
富良野駅のペンションで起床.自転車で来ていた友人達と別れ,一人で富良野駅まで歩きます.
ここ富良野市では,毎年7/28,29に北海へそ祭りというお祭りがあるそうです.
富良野駅までやってきました.駅前は閑散としています.
この日はやや遅めのスタート.11時15分発の東鹿越行きがトップバッターです.2両でやってきた列車は切り離され,前より1両が東鹿越行きになります.
今は北海道の至る所で見られるキハ40も,いつまで走り続けるのでしょうか.
ご存知の通り,2016年8月の台風10号による被害で,根室本線は東鹿越〜新得では運転見合わせが続いております.さらにこの区間は廃止も検討されており,被害を受けた区間の復旧工事はまだなされておりません.
富良野駅は根室本線と富良野線の分岐点であります.石勝線開通前は帯広釧路方面の特急おおぞらが停車していました.今では優等列車は,観光シーズンに札幌からの臨時特急がやってくるのみです.
富良野は地理的に北海道の中心だそうです.
列車の発車を待っていると,札幌からの臨時特急フラノラベンダーエクスプレスがやってきました.キハ183系5200番台,ノースレインボーエクスプレスです.
列車は富良野を発車し,農村地帯を走ります.
下金山駅に到着.かつては北海道の大動脈だったこの路線も,今では存続の危機に面しています.
車内はガラガラ.この日はJR北海道と国土交通省の方々が乗っておられました.なんかの調査でしょうか.
金山ダムによってできたかなやま湖のほとりを走ります.
終点東鹿越に到着です.この駅で新得行きの代行バスに乗り換えます.
かつては2017年3月のダイヤ改正で廃駅となるところでしたが,台風10号の影響で廃止は免れました.ところが,依然廃線の危機に面しています.
5分の接続で代行バスに乗り換えます.乗客のほとんどが調査団(?)の方々でした.
幾寅駅に到着.映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地になった駅として有名です.駅舎の看板は映画の中で出てくる幌舞駅になっております.
バスは国道38号線を走り,狩勝峠を下ります.かつては根室本線も国道のそばを走っており,この辺りは日本三大車窓の一つでもありました.石勝線の開通とともに根室本線の落合〜新得は新線となり,この辺りをトンネルでショートカットするようになりました.
東鹿越から1時間少々で新得に到着です.
新得から石勝線南千歳方面は特急列車のみの運行となっています.途中新夕張までは特例で,乗車券のみで特急列車の自由席に乗れます.
JR北海道特有の,列車ごとの改札です.
かつては鉄道の要衝でありました.
JR北海道にも駅ナンバリングが導入され,この駅はK23となっております.この駅から落合方面の列車が発車することは今後あるのか気になります.
二路線の分岐駅,というよりは根室本線の途中駅といった感じがします.
13時30分発のスーパーおおぞら6号に乗ります.列車は5分ほど遅れてやって来ました.
無人地帯の続く石勝線を駆け抜けます.1時間半ほどで南千歳に到着.この駅のまわりは特に目立ったものもなく閑散としてますが,空港連絡の駅として全列車が停車します.
南千歳で快速エアポートに乗り換え,新千歳空港まで戻ってきました.
こうしてみると北海道のスケールの大きさが感じられます.
時間があったので展望デッキから飛行機観察です.
お昼ご飯がまだだったのでラーメンを.弟子屈ラーメンです.摩周に本店があるそうなので是非行ってみたい次第です.
バニラエアのカウンターも現在ではピーチのものとなっているのでしょう.ちなみにLCCのカウンターはずいぶん奥に追いやられていました(笑)
17時30分発のJW920便で東京へと帰ります.
預ける荷物が多いのでコミコミバニラというプランにしたおかげで,座席指定が無料でできました.行きと同じく帰りも窓側です.
このバニラエア塗装の飛行機もおそらくもう見ることが出来ないでしょう.
定刻通り飛び立ち,南を目指します.機内からは夕日が綺麗に見えました.
まもなく成田というところです.すっかり暗くなってしまいました.
定刻通り19時5分に成田空港第3ターミナルへ到着.そのままバスに乗り換えます.
鉄道の場合第2ターミナルまで行かないと帰れませんが,バスなら第3ターミナルから直接乗ることができるので,LCC旅行の強い味方でもあります.
バスは第2ターミナル,第1ターミナルと経由し,1時間半ほどで東京駅へと到着です.これで1000円はかなりお得です.
東京駅からは山手線,東急池上線と乗り継ぎ帰宅しました.
これにてバニラエアひがし北海道フリーパスの旅は終わりです.最後までお読みいただき誠にありがとうございました.
バニラエアひがし北海道フリーパスの旅 (4)
今は亡き航空会社,バニラエア.
そんなバニラエアとJR北海道とのタイアップで発売されていた「バニラエアひがし北海道フリーパス」で旅をしてきた,というお話です.
前回の記事の続きです.
8月23日(金)
札幌駅前のネットカフェで起床.
起きたら8時間パック終了時間まであとわずかであったので,大慌てで準備します.昨日に引き続き慌ただしい朝を迎えました.
本日の目的は,来年5月で廃止となる札沼線の末端区間(北海道医療大学〜新十津川)に乗ることです.この区間は1日1往復しかなく,残念ながら札幌から乗り継ぐことのできる下り列車を逃してしまったので,滝川に向かい,そこから新十津川発の列車に乗りたいと思います.
札幌駅7:30発の特急宗谷に乗ります.
2017年3月のダイヤ改正までは,スーパー宗谷とサロベツ合わせて札幌〜稚内を1日3往復走っておりましたが,現在では直通する特急は宗谷が1往復残っているのみです.
車両はキハ261系です.車体傾斜装置が搭載されておりますが,現在では使用を停止しています.
札幌駅で稚内の表示が見られるのも,1日1回限りです.
定刻通り札幌を発車.一昨日のオホーツク同様,自由席はかなり混んでいました.岩見沢まではデッキで立って過ごします.
札幌から50分ほどで滝川に到着です.
ここから新十津川駅は徒歩で1時間弱.ここから歩いても間に合いますが,天気が悪く雨も降っているので大人しくバスで向かうこととします.
滝川駅前からバスで15分ほど,新十津川役場に到着.ここから歩いて5分ほどで新十津川駅に着きます.
この日唯一の下り列車の到着前ということもあり,駅前は閑散としています.
駅前にはキハ40の塗装にされた自動販売機が...(笑)
あと10数分もすれば,当駅終着の下り列車がやってきて,駅は大賑わいになると思われます.
もともとは札幌と石狩沼田を結んでいた札沼線.1972年に新十津川〜石狩沼田が廃止されてからは当駅が終点となっています.
駅舎内には降車人数を記録したカレンダーがありました.お盆のあたりはなんと100人を超えています.さぞかし賑わったことでしょう.
札沼線の北海道医療大学〜新十津川は来年の5月7日付けでの廃止が予定されています.
インスタ映え(?)のスポットも用意されていました.
9時28分着の下りの始発兼最終列車がやって来ました.車内はやや混んでおります.
新十津川駅は1面1線の構造です.やって来た列車はそのまま折り返します.
札沼線の非電化区間を走る列車は石狩当別始発です.途中浦臼まではそこそこ本数がありますが,浦臼より先は1日1往復となっております.
以前はもう少し本数がありましたが,今ではこの駅を出る列車は10時発の石狩当別行きのみです.
乗客はほとんどテツの方でした.折り返す方はあまりおらず,車内は座席の半分ほどが埋まってるという感じでした.
列車は田園地帯をゆっくり走ります.
車両はキハ40系.北海道に来て4日目なので座り心地にもそろそろ慣れて来ました.
新十津川駅に着いた時には降っていた雨も,もう止んでおります.
石狩月形です.この駅までは1日8本列車があります.
中小屋駅に停車.この駅名標もおそらく見ることができなくなるでしょう.
石狩金沢です.末端区間も含めて札沼線とはあまり呼ばれず,愛称名である学研都市線が多く使われております.
新十津川から1時間17分,終点一個手前の北海道医療大学にて下車します.
来年5月からはこの駅が終着駅となる予定です.
列車は終点石狩当別へ向かって走り去って行きました.
ここまで来ると近郊路線であり,かなりの本数があります.また,この駅までは電化されておりまして札幌駅からの直通の電車がやって来ます.
北海道医療大学から普通列車で45分.終点の札幌に到着です.お昼時なのでコンコースの蕎麦屋で昼食を頂きました.
札幌13時発の特急カムイ17号で旭川へと向かいます.
スーパーカムイであった頃は30分ヘッドでバンバン走りまくっていた記憶があるのですが,現在では函館からやってきたライラックと共に1時間に1本から2本のペースで札幌旭川間を走っています.
自由席はそこそこの乗車率でした.85分で旭川へ到着です.
本日の目的地は富良野ですが,富良野線の列車まで時間があるので時間を潰します.
6番線には特別快速きたみが停車中です.
特急と遜色の無い走りを見せる列車でもあります.最近のダイヤ改正で下り列車は普通列車を補完すべく,旭川近辺では各駅に停車します.
こちらは留萌行きのキハ54形.1日に1本だけ,旭川発の留萌行きが存在します.反対方向はありません.
2011年に全面開業した,新しい駅舎です.
あいにくの雨.駅前は閑散としております.
15時33分発の富良野行きに乗ります.折り返し列車遅れのため,20分ほど遅れて旭川を出発しました.北海道の主要観光地である美瑛と富良野を沿線に抱えるだけあって,車内は外国人が多めです.(特に中国人)
富良野はスキーの街だということをこの時初めて知りました.観光地として有名なところは上富良野や中富良野に集中しております.
富良野線の途中駅で,自転車旅中の友人2人と合流.この日は3人でペンションに泊まりました.
続く
バニラエアひがし北海道フリーパスの旅(3) 網走〜札幌
今は亡き航空会社,バニラエア.
そんなバニラエアとJR北海道とのタイアップで発売されていた「バニラエアひがし北海道フリーパス」で旅をしてきた,というお話です.
前回の記事の続きです.
8月22日(木)
朝6時15分に起床.昨日お酒を飲んでそのまま寝てしまっていたのでしょうか,窓が開けっぱなしでした.部屋に冷房はついておりませんでしたが,ここは8月下旬の北海道,流石に寒く感じました.
網走6時41分発の始発列車までそれ程時間がありません.これを逃すと次の列車は3時間半後,流石に笑い事じゃなくなります(笑)
以前,鳥取のネットカフェで寝坊した時のことを思い出しました.
昨日来た道を戻ります.
列車が走り去っていって驚きましたが,どうやら反対列車であった模様.
無事間に合いました.釧網本線始発の釧路行きです.釧路までは約3時間20分.キハ54の単行です.
車内は転換クロスシートが並んでいます.こちらも0系新幹線の廃車発生品だった気がします.(違っていたらごめんなさい)
列車はオホーツク海に沿って走ります.昨日2度通った場所です.
車内はちらほらと乗客が乗っておられます.それほど長い距離を乗りとおしていた方はあまりいなかった気がします.
知床斜里を過ぎると,オホーツク海と離れ,列車は山間部へと入っていきます.
網走を発車して1時間15分,緑駅で反対列車との交換待ちです.
茅沼駅に停車中です.
今回は時間がないので列車から眺めるだけですが,降りてみたり,ノロッコ号から眺めてみたりしたいものですね.
このあたりは人家もまばらであり,駅の間隔もだいぶ開いております.
塘路駅に到着.反対側の網走行き快速しれとこ摩周号の交換待ちです.時間があるので列車を降ります.ログハウス風の駅舎です.ログハウス風の駅舎といえば,個人的に大月駅や飛騨小坂駅が印象的です.
駅舎内には喫茶店が入っております.ちなみにこの駅の平均乗車人数は5人ほどだそう...
その後も列車は釧路湿原の中を走ります.景色に飽きない路線です.
10時ちょうどに終点釧路に到着です.向かい側には根室本線の普通列車が止まっております.
全国ニュースの天気予報にも登場する釧路市.道東最大の都市であります.ここに来るのはちょうど2年ぶりです.
根室本線はこの駅で系統が途切れているため,実質3路線のジャンクションとなっております.
臨時列車のくしろ湿原ノロッコ2号です.平日ですが指定席は満席でした.自由席もついておりますが4両中の1両しかないので,指定席をとっておくことをお勧めします.
札幌からの特急スーパーおおぞら1号がやって参りました.来年の3月からはスーパーが外れて特急おおぞら号になることが発表されましたね.
快速ノサップ号にて根室を目指します.
こちらもキハ54の単行.車内はかなり埋まっています.
定刻通り釧路を出発.快速ですが途中上尾幌までは各駅に止まります.根室本線下りははなさき,ノサップと快速が2本存在しますが,お互い停車パターンがバラバラなのが面白いところです.
このように窓が開きます.窓が開く列車というのも,近年ではかなり減ってきているように感じます.
厚岸駅付近では海沿いを走ります.目の前に見えるのは厚岸湾です.
厚岸駅を過ぎると今度は厚岸湖に沿って走ります.牡蠣の養殖知られているそうです.(知らなかった)
厚床駅に停車中.ここまでくるとお客さんもかなり減ってきました.
落石駅付近で列車は再び海沿いを走ります.
このあたりは快速運転で,かなり速いスピードで駆け抜けます.
釧路から2時間10分,終点根室に到着です.
日本最東端の駅,と言いたいところですがその称号はお隣の東根室駅に譲っております.
かつては札幌からの直通列車もあったのかと思いますが,今では釧路からの列車のみとております.
滝川から続く根室本線もこの駅で終わりです.かつては根室港への貨物支線もあったとのこと.
平日の昼下がり.観光客がちらほらいる以外は閑散としています.
ここからバスに乗り換えて本土最東端の納沙布岬を目指します.根室駅にも最果て感は漂っていますが,ここから納沙布岬まではさらに20キロほど.北海道の広さを隅々まで感じます.
ちなみに,往復で乗車券を買うと,若干安くなります.
わずかな客を乗せて,バスは出発します.
バスに揺られること45分,納沙布岬へと到着です.
日本の法律的にはどうやら,本土とは北海道,本州,四国,九州のことを指すようです.その為,本土四極は宗谷岬,納沙布岬,佐多岬,神崎鼻のことを指します.
四島(しま)のかけはし,と呼ばれるモニュメントです.世界平和および,北方領土返還を祈って作られたものだそうです.
日本最東端に関しては領土問題が絡んでくるのでここでの言及は避けますが,ここ納沙布岬は本土の最東端であります.
このような本土最東端へ訪問したという証明書がいただけます.
再びバスに乗り込み,来た道を帰ります.帰りは根室駅まで乗らず,10分ほど手前のバス停で降ります.
そこから歩いて10分ほど,東根室駅へやってきました.
この駅は紛れもなく,日本最東端の鉄道駅であります.
こうして写真を撮っていると,バスツアーの団体の方々がやって来ました.この駅までバスでやって来た,厚床駅まで根室本線に乗り,そこから再びバスへと戻って行かれました.
この駅は1面1線の構造.無人駅であります.
団体客の方々のお陰で車内は賑やかです.
途中,茶内駅で交換待ちです.
年々その姿を少なくしつつあるサボ.いつまで見ることができるのでしょうか.
厚岸駅付近で海沿いを走ります.花咲線という愛称の付いている,根室本線の末端区間は景色に飽きることのない,素晴らしい路線であります.
釧路到着は定刻通り18時51分.すぐさま19時発の札幌行き最終列車,特急スーパーおおぞら12号に乗り継ぎます.
最盛期に比べればそこまでですが,さすがは俊足特急,アグレッシブな走りを見せてくれます.
千歳線内での遅れもあり,9分の遅れを持って終点札幌に到着です.4時間を超える長旅でした.
この日は札幌駅付近のネットカフェに宿泊します.辿り着いた時点でiPhoneの充電は残り1%,滑り込みセーフでした.
続く
バニラエアひがし北海道フリーパスの旅 (2)小樽〜網走
今は亡き航空会社,バニラエア.
そんなバニラエアとJR北海道とのタイアップで発売されていた「バニラエアひがし北海道フリーパス」で旅をしてきた,というお話です.
前回の続きです.
8月21日(水)
今は日本有数の観光都市として有名な小樽.
その昔は湾港都市として栄え,一時期は北海道の経済の中心でもありました.
時刻は朝5時過ぎ,街はまだ寝静まってます.
宿泊(仮眠?)先の銭湯から歩いて南小樽駅へやってきました.5時42分発の札幌方面の始発電車を待ちます.
やって来たのは721系.普通列車なのにデッキ付き転換クロスシートという,本州住みの自分にとってびっくりな設備です.
列車は銭函付近を通過中.石狩湾を望みます.
40分ほどで札幌駅に到着.
6:53~6:57の怒涛の三連続発車.札幌が北海道の中心であることを意識させられます.
今回の旅の目的の一つ,6:56発の網走行き特急オホーツク1号に乗ります.
その昔は北海道のディーゼル特急の雄でしたが,近年では活躍の場を狭め,ついに定期列車は特急オホーツクおよび特急大雪のみとなりました.
オホーツクのキハ183による運行も,あとどれほど続くことでしょうか.
見ての通り,外装はボロボロです.
北海道の厳しい環境が想像されます.
4号車の自由席に乗ります.
札幌発車時点で,この車は通路側を含め,ほとんどの席が埋まっています.
オホーツク,意外と人気あるんじゃないか…なんと思いましたが,岩見沢で車内の3分の1ほどの乗客が下車.どおりで制服姿の高校生が乗っているわけでした.
列車は間もなく美唄というところ.
旭川を出ると車内も閑散としてきました.平日の函館本線の特急需要の高さを身に感じました.
列車は単線の石北本線をひた走ります.
札幌から3時間半で遠軽に到着です.
かつては石北本線と名寄本線との分岐点でありましたが,30年前に名寄本線が廃止されて以来,日本でも珍しい平面スイッチバックが残るのみとなりました.
列車は遠軽を出ると進行方向が反対になります.4号車は先頭車両となりました.
キハ183系8550番台は特急北斗用に改造され,最高速度が130キロの車両でしたが,今ではその性能も無用の長物と化してます.
現在の特急オホーツクの最高速度は110キロとなっております.
網走に到着です.札幌から乗りとおした客はほとんどおりませんでした.
札幌から網走を直通する列車は,現在では一日2往復のオホーツクを残すのみとなっております.かつては夜行列車も走っておりました.
網走はかの有名な網走監獄のある街です.
この縦書きの看板は,出所した元受刑者がもう二度と帰ってこないように,という願いが込められているそうです.
せっかくなので網走監獄へと向かいます.
タイミングが悪く直行するバスがなかったので,女満別空港行のバスに乗り込み,途中のバス停から歩きます.
博物館網走監獄は網走市郊外の山の上にあります.網走監獄自体は網走の街の中にあります.監獄の建物を新しく作り変えるときに,古くなった建物を残そうということで,山の中に移築したそうです.
監獄ランチです.なかなかに質素ですね(笑)
腹ごしらえを済まし,博物館へと入館します.
公式サイトからインターネット割引券が入手できます.これを利用し10%の割引を受けました.
立っているのはもちろん人形です.
入浴の風景.刺青の背中に恐怖を感じます.
枕が一本の木でできていて,看守はこれをたたいて受刑者を起こしていたそうです.
食事の風景.
現在の刑務所のモデルです.昔は極悪犯の象徴であったこの刑務所も,最近では軽犯罪者が中心だとのこと.
廊下の真ん中に通るパイプは暖房.極寒の地網走で生き抜く工夫です.
写真以外にも興味深い展示物が多く,2時間ほど見物に時間を要してしまいました.
博物館網走監獄を出て,天都山を目指して歩いて登ります.
クマ出没の看板.恐怖を感じます.
無事山を登りきり山頂へ到着です.
天気が良ければ眼下に網走の市街地,奥には知床半島を望むことのできる景勝地のはずでしたが,残念ながら何も見えませんでした...
ちなみに天都山山頂付近にはオホーツク流氷館という観光施設がありました.次来る機会があれば寄ってみたい次第です.
山頂付近からバスに乗り,網走駅へと帰ってきました.
釧路行きの普通列車に乗り込みます.
田舎でありがちなキハ40の単行だと思いきや...
キハ54との混結でした.このあたりでは珍しくないのでしょう.キハ54は自動変速ですが,キハ40と連結すべく手動変速にも対応しているとか.
連結部です.キハ40とステンレス車両との連結姿は斬新です.
キハ54の運転台
キハ54の車内.簡易クロスシートが並んでいます.確か0系新幹線の廃車発生品だったはず.
お隣の桂台から大量に下校する高校生が乗り込み,車内は大賑わい.
列車はオホーツク海沿いを走ります.
原生花園駅で下車.一年のうち半分しか営業していない臨時駅です.
もちろん無人駅です.
この辺りは小清水原生花園であります.
海の向こうには知床半島の山々を望むことができます.
時間もあまりないので,反対列車で網走方面へ折り返します.
一駅目の北浜で下車.
私が昔から行ってみたかった駅の一つでもあります.
残念ながら天気はどんより.
駅舎内には喫茶店がありますが,あいにくこの日は休業日.仕方ないので最寄りのセイコーマートで食料を買い込みます.
駅には展望台も設置されております.冬には流氷がやってくるとのこと.
駅舎内は名刺やきっぷで埋め尽くされております.
なんと駅舎内にはWi-Fiが設置されておりました.観光客への配慮でしょうか.
だんだん日が暮れてきました.何もすることなく時間が流れていきました.
19時10分発の列車がやってきました.私の乗る列車ではないので見送ります.
朝夕はそれなりの本数がありますが,日中は少なめです.駅の目の前に国道があり,釧網本線と平行してバスが走っているそうです.
私が2時間半列車を待っている間にも,北浜駅を訪れる観光客はちらほらいましたが,みなさん車での訪問でした.
待つこと2時間半,やっと網走行きの列車がやってきました.
終着網走へ到着.駅近くの踏切から,構内を眺めます.
遮断機のない踏切.都会ではあまり見慣れないものです.
この日は民宿ランプさんに宿泊.素泊まりで2500円でした.
宿の方も優しい方でした.また網走を訪れた際には是非宿泊したいと思います.
季節柄ライダーの方々もたくさんおられました.
つづく
バニラエアひがし北海道フリーパスの旅 (1)東京〜小樽
今年の10月をもってピーチ・アビエーションとの統合により運航を終了した航空会社,バニラエア.
そのバニラエアとJR北海道とのタイアップで発売されていた「バニラエアひがし北海道フリーパス」で旅をしてきた,というお話です.
バニラエアの運航終了により,この切符の発売は終了しましたが,引き続きPeach,AIRDOとのタイアップ商品は発売されております.
https://www.jrhokkaido.co.jp/travel/freepass/
8月20日(火)
最寄駅から電車を乗り継ぎ,東京駅へやって参りました.
東京駅から成田空港へのアクセスは何通りか存在しますが,今回は京成高速バスの東京シャトルを利用します.
お値段はちょうど1000円.結構人気だそうで,東京駅から乗る際には事前予約がおススメです!
また,乗り場が八重洲口から出て,通りを渡った反対側という少し離れた場所にあるので注意が必要です.
定期便は予約の方で混雑していたようですが,タイミングよく臨時便が来たので乗り込みます.
高速をスイスイ飛ばし,東京駅から1時間ほどで成田空港へ到着します.
渋滞というリスクもありますが,他の移動手段と比べて格段にコスパがいいと思います.
成田空港第二ターミナル
搭乗予定の飛行機まではかなり時間があったので,東成田駅まで歩き芝山鉄道に乗ってきたのですが,そちらについては又に機会に記事にしたいなと思います.
第三ターミナル
第三ターミナルまでは第二ターミナルから徒歩で15分ほど.建物の外を歩くので,かなり暑かったです.無料の連絡バスが運行しているので,こちらを使うのが便利だと思われます.
成田~新千歳線は8月31日で運行終了であったので,この日で残り10日ほど,というところでした.現在ではPeachのカウンターになっていると思われます.
成田15:00発のJW919便に搭乗します.
ドアクローズまではほぼ定刻通りでしたが,滑走路が込み合っていたため30分近く遅れての離陸でした.
遅れを持ったまま新千歳空港へ着陸.
みどりの窓口で搭乗券を提示し,バニラエアひがし北海道フリーパスを購入します.
25歳以下は5日間特急乗り放題で12000円.青春18きっぷもびっくりの価格設定です.
新千歳空港からは快速エアポート177号に乗車.そのまま札幌まで乗った方が早いのですが,せっかく特急乗り放題なので南千歳でスーパー北斗に乗り換え.
南千歳駅は何度か来たことがありますが,周りの何もなさに北海道らしさを感じます.
キハ281系には乗ったことがありますが,キハ261系は初乗車.
序盤こそ結構なスピードで飛ばしていましたが,先行する普通列車の遅れに伴いノロノロ走行,5分ほどの遅れで終点札幌に到着です.
8月下旬の北海道.東京在住の私にとっては心地よい気候です.
残念な観光地(?)などと噂されている時計台
時刻は19時を回りました.仕事終わりのサラリーマンで街はにぎやかです.
せっかくなので札幌ラーメンをいただきます.訪れたのは札幌ら~めん共和国の中に入っている幸村というお店でした.機会があればぜひまた訪れたいです.
札幌駅から普通列車に乗り込み45分ほど,小樽に到着です.途中海岸沿いを通りますが,残念ながら車窓は真っ暗.
JR北海道の中で7番目に乗降客が多い駅だとのこと.札幌駅が1番だとして,2~6番目はどんな順番になるのだろうか…
1934年建築の歴史ある駅舎.
日中は観光客でごった返す街も,夜9時ということもありひっそりとしております.
定番観光地である小樽運河.昔はだいぶ荒れていたとか…
貧乏旅行人なので,この日は小樽にある某銭湯にて宿泊(仮眠?)します.自転車やバイクのライダーの方々がたくさんおられました.
続く